神社仏閣って何なの?
神社仏閣と寺社仏閣との違いは?
この記事をご覧の方は、上記のような疑問をお持ちの人が多いのではないでしょうか。
神社仏閣という単語は聞いたことがあっても、実際の意味や寺社仏閣との違いを理解できずに疑問を抱く人は多いはず。
そこで、この記事では神社仏閣の意味や歴史、おすすめの神社仏閣について解説します。
さらに神社仏閣の魅力についても深堀していくので、神社仏閣への知識を深めたい人はぜひ最後まで閲覧してください。
記事を閲覧することで、神社仏閣に対する知識が一層深まるはずです!
- 神社仏閣は、神社とお寺を表す単語
- 寺社仏閣は「お寺とお寺」になるため厳密には誤った単語
- 日本の神社仏閣の歴史は神社(神道)からスタートした
- 神社仏閣巡りをすることで日本の歴史や文化を学べる
- 一人でも十分に楽しめるのが神社仏閣巡りの魅力
神社仏閣とは
神社仏閣を最も簡単な言葉で表すと、「神社やお寺の建物」のことです。
神社仏閣という字をそれぞれ分解すると、神(かみ)の社(やしろ)と仏(ほとけ)の閣(たかどの)と読み分けることができます。
社は祠(ほこら)を表す意味であり、閣(たかどの)は神殿を表す言葉で、両方とも建物であるという意味です。
つまり神を祀る社と仏を祀る閣が合わさっていることから、簡単に表すと神社とお寺の両方ということになります。
神社とお寺では、宗教がそもそも異なりますが、両方とも古くから日本にある新興であるため、神社とお寺を合わせた意味を持つ神社仏閣という言葉が生まれました。
室町時代から神社仏閣という言葉が生まれたとされています。
神社仏閣と寺社仏閣の違い
神社仏閣と寺社仏閣を同じ意味と理解する、もしくは違いが分からない人も多いですが、意味は全く異なります。
神社仏閣は、神社とお寺をさしますが、そもそも寺社仏閣とは、「お寺」のみを表す言葉です。
寺社仏閣という字を分解すると、「寺社」はお寺を表す言葉であり「仏閣」もお寺を表しています。
つまり寺社仏閣は、直訳すると「お寺とお寺」という言葉になってしまうため、厳密に言うとこの単語は誤りです。
しかし言葉は生物(なまもの)であるため、今後は寺社仏閣という言葉が正しいと定義される可能性はあります。
いずれにせよ、神社仏閣という言葉と寺社仏閣は、音が似ているだけでその意味は全く異なるものです。
神社仏閣と寺社仏閣は意味が全く異なるので注意が必要です!
神社仏閣の使い方
神社仏閣は、神社とお寺の両方を表すことから、その両方を指す際に使うことが出来る言葉です。
神社仏閣の使い方としては、以下のようなものがあります。
- 日本中の神社仏閣を巡るのが趣味です。
- 神社仏閣に深い興味を持っています。
- 私は神社仏閣が大好きです。
神社仏閣は、神社とお寺の両方を表すため、非常に広義の意味で使用することが可能です。
ただし神社だけを表現したい場合に、神社仏閣と表現してしまうと誤りということになるので注意しましょう。
神社のみを言葉で表現したい場合には、「神社」とそのまま表現するか、もしくは「お宮」とするのがおすすめです。
神社のみを表す言葉には、お宮・大社・神殿などがあります。
神社仏閣の歴史
日本の神社仏閣の歴史は、神社(神道)からスタートしたと言われています。
神道(しんとう)は古くは古墳時代にはすでに存在していましたが、社(やしろ)を構えて神を祀りはじめたのは奈良時代からです。
以下では、奈良時代から現代までの神社仏閣の歴史を紐解いていきます。
奈良時代に入るとこれまで自然崇拝だった神を社(やしろ)を構えて祀る、つまり現代の神社文化が確立していきます。
『律令神祇制度(りつりょうじんぎせいど)』が確立され、さらに養老律令が制定されているのが特徴です。
この頃になると中央には神祇官が置かれ、神社行事を取り扱うための体制も確立されています。
また大化改新後には、それまで息を潜めていた仏教も益々普及していき、次第に神道の勢いに接近していくのです。
平安時代は、『神仏習合(しんぶつしゅうごう)』の考えが波及した時代です。
奈良時代で仏教文化の普及が勢いを増したとはいえ、未だ「神が主で仏が従」の考えは、奈良時代では変わっていなかったと言われています。
しかし平安時代では、僧侶が実質的な支配権を握っていたため、仏を守るために寺院の境内に鎮守の神が祀られるようになり、神と仏の立場が逆転したのです。
また平安中期頃には、霊威ある神々が地域を超えて祀られる『勧請(かんじょう)型進行』が盛んになります。
現代にも残る「稲荷(いなり)・八幡(はちまん)・天神(てんじん)・伊勢(いせ)」などの神社は勧請系進行が元となって建立された神社です。
鎌倉時代から室町時代にかけては、幕府が神仏を保護する体制を作った代表的な時代です。
鎌倉時代に作られた『御成敗式目(ごせいばいしきもく)』をきっかけとして、幕府は神社奉行を設置し、各地の神社仏閣の事務に専従させています。
幕府側が神社仏閣への保護に力を入れたことにより、神社仏閣の数はこの時代に大きく増えているのも特徴です。
しかし南北長時代になると、国家の統一力が失われたことにより、神社仏閣を保護することができず、多くの神社仏閣は荒廃してしまうことになります。
また室町幕府の社寺関係制度は、鎌倉幕府のやり方を踏襲したもので、神社の事務をつかさどる『社家奉行(しゃげぶぎょう)』と寺の事務をつかさどる『寺家奉行じげぶぎょう)』を設置し、神社仏閣の普及に努めています。
安土桃山時代を代表する武将に『織田信長』と『豊臣秀吉』がいますが、この両名は神社仏閣の保護に力を入れた人物です。
ただし織田信長が行った「延暦寺の焼き討ち」からも分かる通り、自らに敵意を持つ神社仏閣には容赦せず、弾圧した様子も伺えます。
豊臣秀吉も同様に『太閤検地(たいこうけんち)』の制度を実施し、いかなる神社仏閣でも全て検地を行い、石高を持って寄進させているのが特徴です。
しかし両名とも厳しい政策を取る一方で、神社仏閣の普及には十分な政策を実施しており、これは徳川家康をはじめとする江戸幕府の神社仏閣制度にも影響を及ぼしています。
江戸時代は、これまでの日本の歴史のなかでも特に仏教の力が強くなった時代です。
幕府は国家政策の一部として、それぞれの地域に寺を建立して、檀家と寺の関係性を強固にすることにより、国家の組織体制強化を図りました。
また神仏習合の考えはより一層強化され、人々が神社や寺への参拝をより盛んに行うようになった時代でもあります。
現代の神社仏閣への参拝文化は、江戸時代に確立されたとも言われており、特に『伊勢神宮』への参拝は人々の重要な行動様式のひとつともなりました。
日本の信仰の始まりは、2,683年程前の神武天皇が国家統一をされたとされる逸話からスタートします。
天皇家は長らく日本を『神の国』として神道を信仰対象としてきましたが、国の政治の流れから仏教を信仰する文化も重宝してきました。
しかし明治時代には政府によって、『廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)』という考えが生まれます。
廃仏毀釈とは仏教排斥運動であり、仏堂・仏像・仏具などに対して各地で起こった破壊行為です。
つまり明治時代には一時的ではあるものの仏教への信仰が薄れ、天皇を神として崇められる文化が定着していました。
明治時代から大正時代に移行し、昭和となるにつれて、人々の神道や仏に対する考えは大きく変わっていきます。
これまでの神仏習合の考えは既に人々に浸透しており、神社・寺の両方へ人々は参拝をするようになっていくのです。
また平成・令和の時代では、単一の宗教のみを深く信仰する考えは人々から消えていきます。
神社や寺社が信仰する宗教に関係なく、現代の人々は知名度が高く人気のある神社仏閣に通うようになりました。
神社仏閣巡りの魅力
近年、神社仏閣巡りを自分の趣味とする人は多くなっています。
そこで、ここでは、神社仏閣巡りの魅力について解説していきます。
- 日本の歴史や文化を学べる
- 一人でも楽しめる
- 悩んでいても心穏やかに過ごせる
日本の歴史や文化を学べる
神社仏閣巡りでは、これまでの日本の歴史や文化を学ぶことが出来ます。
神社仏閣の中には、古くは奈良時代から存在しているものも多く、神社仏閣に訪れることで自然と歴史や文化を学ぶことが可能です。
現代はSNSなどの発達により様々な情報を入手することが可能になった一方で、歴史や文化に対する深い知識を持つ人は減少傾向にあります。
神社仏閣巡りを趣味とすることで、その神社仏閣の歴史や文化を深く知ることが出来るでしょう。
友人と神社仏閣を訪れた際には、その歴史や文化について深く解説してあげることも出来ます。
実際に神社仏閣を訪れることで、インターネットでは得られない歴史や文化を深く学ぶことが出来ます。
一人でも楽しめる
神社仏閣巡りは、一人でも楽しむことができる趣味です。
わざわざ友人と都合を合わせる必要もないため、自分の好きな時間に好きなだけ神社仏閣を巡ることが出来ます。
また神社仏閣の数は、コンビニよりも多いため、周辺の神社を巡るだけでも十分に楽しむことが可能です。
他県まで足を伸ばせば、生涯を通じて楽しめる趣味にすることが出来ます。
もちろん参拝料や交通費以外の費用はかからないため、比較的費用を抑えられる趣味の一つです。
神社巡りは一人でも楽しめる代表的な趣味の一つです!
悩んでいても心穏やか過ごせる
神社仏閣巡りは、自分の精神にも良い影響を与えることが出来ます。
神社仏閣は、神や仏を祀る神聖な場所であるため、参拝することでご利益を得ることが可能。
またパワースポットと称されている神社仏閣も多く、現代では味わえない雰囲気を感じることが出来ます。
「都会の人混みや仕事に疲れてしまった」という人は、神社仏閣巡りをすることで、悩んでいても心穏やかに過ごせる時間を得ることが出来るはずです。
神社仏閣巡りで心を清らかにすることが出来ます!
神社仏閣に関するよくある質問
ここでは神社仏閣によくある以下の質問について解説していきます。
- 神社仏閣に参拝する際の服装は?
- 神社仏閣の御朱印とは?
- 日本全国で神社仏閣の数は?
神社仏閣に参拝する際の服装は?
神社仏閣に参拝する際には、以下の点に留意した服装を心がけましょう。
- 肌の露出は極力抑える
- 山道などがある場合は動きやすい服装を
- お寺に行く際は毛皮がない服装を選ぶ
- カジュアルすぎない服装を選ぶ
結婚式やお葬式に、Tシャツ・短パンで出席する人はほとんどいないはず。
毎回スーツを着用する必要はありませんが、ジャケットを羽織るなど、カジュアルすぎない服装を心がけることが大切です。
神社仏閣は神や仏を祀る神聖な場所です。
神社仏閣の御朱印とは?
神社仏閣の御朱印とは、神社やお寺において参拝の証として押される印象印影です。
一般的には寺社名などが墨書きされていることが多く、参拝の際には受付や本殿で押すことが出来ます。
最近では御朱印をスタンプラリー感覚でコレクションする人が多いですが、そもそも御朱印は神様やご本尊の分身とも言われるありがたい存在です。
決してコレクションとして御朱印を集めるのではなく、礼儀作法を守って御朱印を頂くように心がけましょう。
日本全国で神社仏閣の数は?
日本全国の神社仏閣の数は、およそ153,000軒と言われています。
ちなみにコンビニエンスストアの数は約57,000軒となっており、コンビニよりも圧倒的な数があることが分かります。
日本を代表する歴史文化である神社仏閣は、政治的理由や戦争で消失した神社仏閣が多いものの、未だに全国各地に存在しています。
生涯をかけても周りきれない数の神社仏閣が私たちの周りには存在しているのです。
【参考】宗教統計調査(文化庁)、日本フランチャイズチェーン協会
神社仏閣に関するまとめ
今回は神社仏閣という言葉の意味や歴史、神社仏閣巡りの魅力などについて解説しました。
私たちの祖先が築いてきた神社仏閣には、様々な背景が存在し、これを学ぶことは非常に大切なことです。
神社仏閣巡りをすることは趣味としての楽しみだけでなく、様々な気づきを与えてくれるものになります。
この記事で神社仏閣に対する興味が湧いたのであれば、ぜひ近所にある神社仏閣から足を運んでみてください。
大宮八幡宮の紹介
大宮八幡宮は、主祭神である応神天皇とその父母を祀る神社。
御祭神に親子三神を祀ることから、とくに子育て・安産に御利益があるとされている。
また、東京のほぼ中央に位置するため「東京のへそ」という異名も持つ。
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