新嘗祭
11月23日(勤労感謝の日)に新穀を大神さまにお供えし、一年の収穫を感謝する新嘗祭(にいなめさい、しんじょうさい)が執り行われます。
新嘗祭は当宮責任役員、総代、敬神婦人会(りんどう会)、氏子青年会役員ほかの参列のもと、23日午前9時より宮司以下祭員奉仕により大祭式にて斎行いたします。
当宮境内の大宮幼稚園のなかの稲田で、幼稚園児が田植えや稲刈りをして丹精込めて育てた初穂や、JA中野杉並支部など、氏子崇敬者の篤志家の方々から献納された穀物や野菜果物などを、庭積神饌(にわずみしんせん)として大前にお供えいたします。
わが国では、春祭り(祈年祭、としごいのまつり)に五穀豊壌を祈り、秋祭り(とくに新嘗祭)ではその年に収穫した初穂(お米)を神々に捧げて感謝するという、ともに大切なお祭りで、祈りと感謝は一対になっています。
農耕社会でありましたから日々の営みは農耕儀礼と重なり、暦のない時代は米作りに関わる年中行事(お祭り)を繰り返しながら、お米を始め五穀の豊壌を祈ってきたのです。
日本人は古来より、農作物は神々の恵によって賜わったものと考えていました。
「たべもの」という言葉のルーツが、「賜りもの」「給べもの」から来ているように、人の力だけでは食物を完全に生産することはできません。 太陽や大地の恵み、ほどよき雨、風の恵など大きな自然の働きによって育まれており、それらの神々の恵みによって、初めていただくことができるのです。
だからこそ神々への感謝の念も自然と生まれてくるわけで、神々からいただいたものを大切にしようという気持ちも湧いてくるものなのです。
「いただきます」という言葉も、さまざまな生き物の命や多くの恵みをいただくということから来ています。生かされていることを実感して、その御心に沿うよう努力していくことが大切であると思います。